2020年5月14日木曜日

立正大学社会福祉学部の皆さんへ  part.1


非常勤講師の大塚繁夫です。私の授業は保育実践ですので、昨年までは第一時間目には、故斉藤公子先生が創案して、私たちの園でも実践しているさくら・さくらんぼ保育のリズム遊びを行っていました。しかしコロナの影響で出来ませんので、園のホームページを見て頂いて、感想や意見を筆記して頂くということにします。
800字位にまとめて大学の指定されたアドレスに送信してください。


 ホームページは2000年より始めまして、より保育の様子を分かりやすくしたいと2018年12月より「ひかりのまいにち」というコーナーを開設しました。毎日のように子どもたちの様子が分かって安心と親御さんたちからも好評です。私も昨日初めて書き込みをしてみました。


コロナ休園で限られた子たちしか登園してきていません。例年でしたら新入園の子たちを園バスに乗せて園の周りを一回りしたり、近くの公園に出かけたり、私の出番があるのですが、今のところ保育の手伝いは多くはありません。でも私の歳にしては嬉しいことに環境整備がこの時とばかりにたくさんあるのです。


園児のみんなには出来るだけ自然と触れ合う中で遊んでもらいたいという思いから、開園以来園内外に木を沢山植えてきましたが、このコロナ休みを使って軽トラで花植木センターに通いつつじを60本ほど植えました。垣根を充実させるためにです。


大阪の池田小事件の前までは全国の幼稚園・保育園は地域に開かれた園を目指して、どうぞ遊びに来てくださいというように、園内の子どもたちの様子がよく見えるように垣根(フェンス)なども低くしていたのです。園児のみんなも垣根が低ければ外を見ることで、五感と言われる乳幼児期に養いたい人間の能力の一つである視覚を磨くことが出来るのです。(視力は3歳0.5、6歳1.0であれば良いと言われています)また、視野が広がる、解放される、木々の間から吹く風が心地よい、爽やかな気分になるということは情緒に関係します。(人間の脳の4つの大事な働きは、言語・記憶・巧緻運動の制御・そして情緒と言われています)





また、6歳になると脳重はやや大人に達するので会話などしていても大人とそれほど変わらなくなります。色彩も淡い色が見分けられるようになります。卒園期には24色の水彩絵の具を喜んで使いこなしますが、木々の様々な緑、色とりどりの花たち、湿った土、乾いた土、固い土、柔らかい土の違い等々自然の遊び体験は脳に刻まれているのではないでしょうか。そのような事を考えながらつつじを植えました。

昨年度の子どもたちの描画です

卒園期の水彩画です


昨年の5月に大津市で痛ましい事故が起きました。保育園児たちが、信号待ちしている所に車が突っ込んで、幼い命が奪われてしまいました。その何日か後に砂場で遊んでいる子どもたちに車が暴走して危うかったということも起きたようです。


我が園はどうか?園地の南側は道路に面していますので、すぐ枕木を植えることを始めました。

人間の歴史でみると一万年くらい前になるのでしょうか。農耕が始まる前、狩猟採取時代の名残と言われていますが、子どもたちは木切れ、石ころ、葉っぱなどを園内のどこからか、拾ってきては自分の隠し場所に・垣根の中や隅っこなどに隠しておくことがあります。あるいは垣根の中で23人の仲良しさんと遊んでいることもあります。道路に面して太くなった木も車から子どもたちを守ってくれると思いますが、枕木も安心して遊べる場を作ってくれると思うのです。


 例年ですと子どもたちと一緒に畑作りもやっているのですが、今年は先生たちと精を出しています。ナス、キュウリ、トマト、ピーマン、トウモロコシ、スイカ、カボチャ、サトイモ、小松菜、ジャガイモ、サツマイモ、ヒマワリの迷路、そして田植え。収穫には子どもたちにも参加してもらえると思うのです。


小松菜です
こちらはジャガイモです
トマトです
ヒマワリの迷路になります
トウモロコシと
奥はナスです
まだ小さいスイカです


 寄る年波には勝てぬと言いますが、腰には一抹の不安(脊柱管狭窄症)があるのです。鍬を振り上げての柵作り。重い土を動かすことは汗びっしょりになる重労働です。筋トレだと思って励むのですが子どもたちと一緒だともっと楽しく疲れも軽く出来るのですが・・・。

これから夏にかけては草との闘いです。子どもたちの口に入るのですから、無農薬、有機栽培に徹しているので出来栄えは芳しくありませんが安心して食べられます。


 土を耕すことは心を耕すことと、故斉藤公子先生から教わったことがあり、畑作りは子どもたちの心を育てるものと思って取り組み始めたのですが、やってみてわかった事は、子どもの心を耕すのではなく私の心を耕すものでした。疲れるから、暑いから、やりたくない億劫だなあ、後回しにしちゃうか、楽したいなあという自分の怠け心を戒めるものだったのです。


 私に畑作りを教えてくれる藤田さん曰く「大塚さん、朝4時に起きて畑に来て、8時には帰って朝寝するようでないと、熱中症でまいってしまいますよ。」

とてもとても。出来なかったおかげで作物より草の背丈が高くなってしまうのです。それでもジャガイモ・さといも・黒大豆などは逞しく、健気に立派な実をつけて子どもたちと一緒に収穫の喜びに浸ることが出来ました。果たして今年はどうでしょうか?

余談ですが、その人その人の持ち味というのがありまして、用務員の椚さんは小豆、黒豆を煮る名人です。懐かしがられるぼた餅は子どもたちは勿論、近所のお家、講演会の講師の先生、森は生きている、荒馬座などの催し物、あるいは会議などの差し入れ。頼むと快くサーッとこしらえてきてくれるので大いに喜ばれるし、私も自分で作ったのではないですが大いに株を上げることになります。

出来合いのものを買い、食すのが当たり前の時代に残し、伝えたい味と行為ですね。





 
昨年度の卒園記念樹です